骨が薄い難症例に対する治療があります
顎の骨が薄いとインプラント処置が難しくなります。しかし、そんな患者様の骨に厚みを持たせる治療方法があるのです。
サイナスリフトSINUS LIFT
サイナスリフトとは、上顎のある副鼻腔「上顎洞」を底上げする処置のことを言います。上顎洞というのは目の下から奥歯の上にかけて存在する副鼻腔で、奥歯の骨が薄い患者様は上顎洞と口の中が近接していることが多いのです。治療前の検査や診断の段階でお口の中と上顎洞がどれくらいの距離にあるのか検査をしますが、もし近接していた場合はサイナスリフトを行います。
サイナスリフトは頬側の歯茎を切開し、骨を削ってアプローチをします。上顎洞の中には上顎洞側の骨と結合している「シュナイダー膜」と呼ばれる膜が存在しており、このシュナイダー膜を傷つけないように骨から剥離していきます。そうしてできた空間に人工骨や自分の骨を移植するのです。骨に厚みを出す処置の中では最も難易度が高い治療で、熟練の経験が必要です。
ソケットリフトSOCKET LIFT
サイナスリフトは上顎洞を全体的に底上げする処置でしたが、ソケットリフトは部分的に上顎洞を底上げする処置です。厳密に言えば、上顎洞と一緒に骨も一緒に持ち上げてしまう処置になります。
まず、ソケットリフトを行いたい部位の骨をドリルで垂直方向に削っていきます。上顎洞まであと1mmという部位まで削ったら、先が鈍(先が尖っていない)な棒で突いていきます。そうすると上顎洞と一緒に骨が持ち上がります。その持ち上がった部位にインプラントのボルトを埋めていきます。上顎洞へは裏打ちの骨があるのでボルトが貫通しません。
GBRGUIDED BONE REGENERATION
GBRは別名「骨誘導再生法」と呼ばれます。インプラントの手術と同日に行うことができ、上下関係なくどこでも適用できるので、汎用性の高い骨造成処置と言えます。インプラントを埋めたら骨を増やしたい部位に人工骨や骨補填剤を加えます。そこをメンブレンと呼ばれる膜で保護し、骨が増えるのを待つのです。期間にして4か月〜6か月経過すれば骨も増えてくれます。
全身疾患をお持ちの方へ
インプラント治療が難しいと言われる人の多くは、全身疾患を抱えていることがあります。全身疾患をお持ちの患者様は一般歯科医院でのインプラント治療を断られてしまうことが多く、大学病院など大きな病院を紹介されてしまいがちです。しかし、当院では口腔外科歴30年のベテラン歯科医師がインプラント治療を行っていますのでご安心下さい。
では、インプラント治療において難しいと判断されてしまう全身疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。
糖尿病DIABETES
糖尿病の既往がある患者様は、糖尿病がない患者様に比べて傷が治りにくいという特徴があります。また手術中にストレスがかかることで血糖値のコントロールをする必要が出てきます。さらに傷口が治りにくいことに関連して、インプラントのボルトと骨も結合しにくくなります。
血液凝固薬を常用している方BLOOD COAGULANT
脳梗塞や心筋梗塞の経験がある患者様の中には、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方がいます。血液がサラサラになるというのは血が止まりにくい状況を指しますので、インプラントなど出血が伴う処置をする前にかかりつけ内科医などに相談をするようにしましょう。
高血圧HYPERTENSION
高血圧の既往がある患者様は、術中の血圧のコントロールやモニタリングが必須になります。
骨粗鬆症OSTEOPOROSIS
骨粗鬆症の患者様は顎の骨がもろくなっていて、インプラント治療をする際に骨折してしまうリスクやボルトと骨がうまく結合しないリスクがあります。治療をしている方の中で、ビスホスホネート製剤と呼ばれる骨粗鬆症の治療薬を服用している場合、必ず事前に申告するようにしてください。ビスホスホネート製剤を服用している患者様は、骨に細菌感染が起きると顎の骨が腐ってしまいます。
セカンドオピニオンにも対応しています
患者様にはセカンドオピニオンを受ける権利があります。セカンドオピニオンと聞くと「本当に病気ではないのか/病気なのかの確認」や「別の治療法や自分にあった治療法を見つける」ことを目的に行うと思っていませんか?
歯科ではセカンドオピニオンをする必要がないのではと思われている患者様が多いですが、そんなことはなく、患者様の当然の権利として、より良い治療を受けるためにもセカンドオピニオンは積極的にしていただくことをお勧めしています。
中でもインプラント治療は比較的高額な治療です。同じ治療をするなら長く保つことができるしっかりしたインプラント治療にしたいと思いますよね。
当院では、他院でインプラント治療を検討している患者様のセカンドオピニオンとして受け入れを行っております。インプラント経験豊富で口腔外科歴30年になるベテラン歯科医師が、患者様の状況や他院からの説明や方針を総合的に加味して、セカンドオピニオンとしての役割を全う致します。また、当院で治療を検討されている患者様が他院でセカンドオピニオンを受けることにも賛成しています。